ランサーエボリューションⅧ導入
2023年 12月 10日
三菱アイ購入
2023年 05月 14日
きっかけは知人の家に有った三菱アイに試乗したのがきっかけでした。
日本の大半の軽自動車・乗用自動車が前輪駆動車(FF車)が圧倒する中で、この三菱アイはリアエンジン(リアミッドシップ)。運転した瞬間からその素直なハンドリングに驚きました。目一杯張り出したタイヤは軽自動車としては異例のホイールベースの長さ。これは直進安定性に貢献。三菱の拘りが詰まった自動車です。一説には開発に2年以上と異例の長さを掛けたとも。一気に興味をそそられた。
早速調べてみれば、案の定10年以上経過した軽自動車こなれた価格で流通している。その中から程度の良い個体探しを少しずつ始めた。
”運命の出会い?”
最初に中古車情報サイトを眺めると、お隣岐阜県に車検2年付き総額30万円の個体を発見。実車見聞と学習も兼ねてとりあえず見学に向かった。
店主は数週間と言いましたが、どう見ても長期在庫車(実際後にグーグルマップで調べたら昨年8月のデータで既にその車が店頭にあった)。一通り実車見聞の後、同乗試乗。バッテリーが弱い感じはしましたが全体的にはマズマズ。「購入しようか…」と思い交渉と話をまとめようとしたその時。マフラーから大量の白煙が…。すっかりタービンブローかと思いそんな話をしてこの話はお流れになった。
それから数日。いつもお世話になっている整備工場の社長とそんな話をした所「それ多分よくあるPCVバルブの固着だよ」と。そう社長自らも三菱アイに乗り、またこの整備工場でも何台か診ている見識からご意見を頂いてしまい、まだ日も経っていない相手が気付かぬうちに…とダメ元で現状販売交渉。そうしたらあっけなく10万円で話がまとまったので気が変わらぬうちに…と積載車を手配して小春日和の心地良い日に早々に引取りに出掛けた。
”賭けの結果は…”
現状渡しの為車検も新規。そうは言っても素人の私の見立てに誤りがあるのも充分考えられる為、車検取得も含めてプロの目で一通り見て頂く事で整備工場にお願いした。社長も事の顛末から快く引き受けて頂いた。一番の懸案である白煙放出は社長の見立て通りPCVバルブ交換で完治。800円程の部品で治ったとなれば賭けは成功と言えるだろう。その他、ドライブシャフトブーツ交換、オイルを吸っていた事から汚れまくったプラグやフィルター交換程度で車検取得も順調に終えた。
”運行開始”
ホイールベースは2,550mmと一般的なコンパクトカー並みかそれ以上の長さを確保。これがパッケージングと特に直進安定性に一役かっている。
もう一つの特徴リアミッドシップに因る前後重量比配分、車検証上では前軸重430kg、後軸重530kgとリア寄りの荷重がポイント。カーブではアンダーステアを気にせずにスッと頭が入る感じで事もなく曲がっていく。同様に下り坂や減速しながらのコーナリングもこのリア荷重が効いていて、スルッと曲がってしまう、気持ち良い位に。昨今のハイトワゴンやFFでフロント荷重過多になりがちな軽自動車とはもう雲泥の差。普段そんな車に乗り馴れてる方なら尚更でしょう。
それでいて、居住空間は余裕をもって作られているので狭苦しい感じはなく体の大き目な私でもストレスのないドライビングポジションを得られる。
エンジンはMIVEC搭載の3B20。私のはインタークーラーターボですが決して高出力を狙ったユニットではなく、低回転から自然な感じパワーが出るのも好印象。更には可変バルブタイミングも付いていますが、集中しないと分からない位(5000rpm辺り)。
一方惜しい所も幾つか。パワーステアリングが電動式でこれが劣化してくると微妙な手ごたえを伝える。リアエンジン故油圧は使い難いのは分かるが、そもそもパワステは必要か? せっかくのハンドリングの良さをスポイルする部分。私的にはパワステ取っ払ってしまいたい位だ。
昨今の車のデザインの特徴、フロントセクションが異様に長い。衝突安全性からの問題だろうが間延びしたようなダッシュボードは三菱アイも存在。このせいでAピラーが二本立てみたいな感じになり、交差点や峠道のカーブで対向車の確認に重要な部分が非常に見難くなっている。これはどうかと思う。
前述した長いホイールベースに対してトレッドがやや狭い印象。高速道路のレーンチェンジ等で本当に僅かだが安定性がイマイチな印象を受ける。トレッドをもう少し広げては…と思うが、いかんせんこれは軽自動車の限界。ホイールオフセットで改善するか検討してみよう。
そう思うと、このパッケージングのままで普通車を作ったらきっと素晴らしい車両が出来たと考えを巡らす。実際欧州向けに当時フランクフルトモーターショウで1000ccと一回り大きいボディながら、車重が790kgと軽量なコンセプトカーが出店されていた。これが市販されていたのなら…。更には3ドアのスポーツモデルも計画されていたとか。つくづく国内販売が良ければ更に面白い車両が売られていたかもしれない。
これだけ素晴らしい車にもかかわらず。売れ行きがサッパリだったのは日本の自動車文化ゆえか。私だけでなく当時の自動車評論家も軒並み高評価なのに売れなかったとは…日本の闇は深い。自動車に限った話ではないが、良い物を作っても必ずしも売れない。それより周りの評価や有名人が持っているとかそんな事が物が売れる売れないの一番の要素とは。モノづくり大国を標榜すること片腹痛し。
奥様はお子様、ご家族の軽自動車を導入するのならば、この三菱アイを是非検討対象にお勧め。無駄な空間でハンドリングも悪い車でストレス感じる位ならば、この車が一興。中古車市場も未だ手頃な価格で買える状況です。
機会があれば是非運転してみて頂きたい、きっと何か感じられるだろう。
J30オーナーズクラブNYM-2023
2023年 01月 18日